個人を活かす経理部体制のすすめ(上) ―経理スタッフの意義を見直すことから始めてみよう―
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●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●1スタッフは経理部長のあなたより,コアな情報を見抜いている?●ここ数年,「経理部」の社内で担う役割が,ますます高まっています。そもそも,経理部の仕事といっても幅広く,細かな伝票精査や経費精算の事務,原価計算,資料作成等々,その種類や作業に必要な能力の高低などは千差万別と言っても過言ではありません。また,これら経理部の仕事によって表れてくる数字は経営判断を左右する重要なものであり,その数字の扱いに,経理部責任者としての能力が求められるのは当然かもしれません。なかでも,経理部を束ねる経理部長は,先細る受注の管理にもナーバスになるだけでなく,あわせて長期的な視点で人や物の削減・活用についても従来以上に使命感を持って臨まなくていけない状況となっています。これまで,多くの経理部という部署では,経理部長が今後の経営判断についての議論を経営陣らと交わし,これをスタッフに浸透させる,どちらかと言えばトップダウン的な方策が採られていました。しかしこの大恐慌の中で,今までと同じ方法で乗り切ることなど,至難の業でしょう。そこで提案したいのが,経理部で勤務するスタッフの責任感や使命感を育むことを重視し,その提案や気づきを活かす方策,つまりはボトムアップ的な方策です。あなたの束ねている経理部では,スタッフが経理部の仕事の意義について深い思慮で見つめ,経理の語源といわれている“経営管理者”としての使命感を持っていますか?あなたが日頃,経営戦略の参考にしている情報,経営資料類は,スタッフが日々,納品書から単価と数量のデータを抽出して,工事原価台帳を集計し,受注額の裏づけをしているものです。つまり,あなたが見ているデータは,あなたが目にするよりももっと早期な段階において,担当スタッフらが肌身で接しているデータが積み上がったものなのです。言いかえるなら,経理部長であるあなたよりも,担当スタッフのほうが,何倍ものボリュームの生きた現場データに,あなたよりも早く触れている,とも言えます。今のような不況下において,このような環境で働く経理スタッフのチカラを活かさない手はありません。こうした環境に置かれて経営に強い経理部構築の提案�個人を活かす経理部体制のすすめ(上)――経理スタッフの意義を見直すことから始めてみよう――経理環境改善コンサルタント田村夕美子毎日,あらゆる経理データに直面している経理部スタッフ。そこで気づいたことは,経営判断をも左右する可能性を秘めています。いかに,1人ひとりの能力を最大限に引き出し,最強の経理部を構築できるか。それができるのは経理部長。あなたです!1

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